秋の夜長に考える終活
~これからを自分らしく生きるために~
暑かった夏が過ぎ、少しずつ秋の気配を感じる10月。日が暮れる時間も早くなり、家でゆっくりと過ごす時間が増えてくる季節です。

「秋の夜長」という言葉があるように、静かな夜に本を読んだり、昔の写真を眺めたり、これまでの人生をふと振り返ったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな季節だからこそ、一度考えてみたいのが「終活」です。
「終活」と聞くと、「まだ自分には早い」「死ぬ準備をするようで縁起が悪い」と感じる方も少なくありません。
しかし、本来の終活は、人生の最期だけを考えるものではありません。
これまで歩んできた人生を振り返り、自分が大切にしているものを確認しながら、「これからの時間をどのように過ごしたいか」を考えることでもあります。
たとえば、身の回りを少し整理してみることも立派な終活です。
長年しまったままになっている写真や手紙、思い出の品を手に取ると、「こんなこともあったな」と懐かしい記憶がよみがえることがあります。
そして、その品物にまつわる思い出を家族に話してみる。
それだけでも、自分が歩んできた人生を家族へ伝える大切な時間になります。
また、自分に「もしものこと」があったときについて、少しだけ考えてみるのもよいでしょう。
どのようなお葬式にしてほしいのか。
誰に知らせてほしいのか。
大切にしているものを誰に託したいのか。
お墓や納骨について希望はあるのか。
そして、家族に伝えておきたい言葉はないか。
もちろん、すべてを決めておく必要はありません。
「家族だけで静かに送ってほしい」「好きだった音楽を流してほしい」「この友人には知らせてほしい」。
そんな小さな希望を一つ伝えておくだけでも、残される家族にとっては大切な道しるべになります。
私たちは葬儀のお手伝いをするなかで、ご家族から「本人に聞いておけばよかった」という言葉を耳にすることがあります。
大切な方を亡くした直後、ご家族は深い悲しみのなかで、短い時間のうちにさまざまなことを決めなければなりません。
そんなとき、故人が生前に話していた何気ない一言が、ご家族の決断を助けてくれることがあります。
だからこそ終活は、自分自身のためだけではなく、大切な家族への思いやりでもあるのです。
とはいえ、家族に突然「自分のお葬式の話をしたい」と切り出すのは、少し勇気がいるものです。
そんなときは、あまり難しく考えなくても構いません。
「最近はこんなお葬式もあるみたいだね」
「自分だったら、あまり堅苦しくないほうがいいかな」
そんな普段の会話から始めてみてはいかがでしょうか。
一度ですべてを話す必要もありません。
思いついたときに少しずつ話していく。それくらいの気持ちで十分です。
そして終活を考えていくと、不思議と「最期」のことだけではなく、「これから」のことが見えてくることがあります。
行ってみたかった場所へ旅行したい。
久しぶりに友人に会いたい。
家族ともっと食事をしたい。
趣味をもう一度始めてみたい。
写真をたくさん残しておきたい。
終わりについて考えることは、残された時間に目を向けることでもあります。
人生には、いつか必ず終わりがあります。
だからこそ、今という時間をどう過ごすのか。
誰と過ごし、何を大切にして生きていくのか。
それを考えることこそ、終活の大切な意味なのかもしれません。
秋の夜長。
温かいお茶でも飲みながら、これまでの人生をゆっくり振り返ってみませんか。

そして、「これから何をしたいだろう」と考えてみてください。
終活は、人生を終えるための準備ではありません。
これからの人生を、より自分らしく、大切に生きていくための準備なのです。
かずやコスメディア 北原