番外編14宗派『クリスマス派』

13宗派を巡る連載コラムの最中だというのに、街にはイルミネーションが煌めきいつも以上にあたたかな光に包まれている本日は12月24日。

街ゆく恋人達は寒空の中、幸せと恥じらいで頬を赤く染める中、仏様も今夜ばかりは

“幸せが満ちるなら、今夜は聖夜にお譲りしましょう”と微笑んでいるかもしれません。

そこで今回は、番外編14宗派『クリスマス派』をこの季節だけの物語をそっとひも解いてみたいと思います。

クリスマスとはイエス・キリストの誕生日を祝う日ですが、正確な誕生日は不明とされています。

そこで、ローマ帝国では、冬至の祭とキリストのお祝いを合体させた12月25日をキリストの誕生日とし

その後、北欧の長い冬の夜には常緑樹を飾る習慣が加わり、ケーキやプレゼント交換といった楽しみが混ざり

『歴史と宗教と冬の遊びが融合した世界共通のお祭り』となりました。

日本においては、1552年(天文21)に山口県で宣教師たちが日本人信徒を招いて、キリスト降誕祭を行った事が最初と言われています。

12月になると、神社の鳥居と共に輝くクリスマスツリー、仏壇の前で微笑むサンタとトナカイ。八百万を信仰してきた多神教日本にはすんなりと溶け込み冬の一大イベントとなりました。

さて、クリスマスと言えば前述した『サンタクロース』そして『クリスマスツリー』について少しお話していきたいと思います。

まずは、サンタクロースの起源は4世紀ごろ、現トルコのミュラの司祭であったギリシャ人の聖ニコラスであったと言われています。彼は、修道服に身を包み、日頃から困っている人や貧しい人を助け、自分の持ち物を惜しまずに与えていた心優しい人でした。ん?私たちのサンタのイメージが随分違う…いや、立派な白ひげで赤い服で空を飛ぶ愉快なおじさんを思い浮かべるでしょう。実はこのイメージはコカ・コーラの広告が大きな影響を与えたとの諸説がありますが、いったん置いておきます。

ある時、近所に3人の娘がいる家族が住んでいました。たいへん貧しく娘を売らなければならないほどお金に困っている事を知ったニコラスは、その夜、煙突から私財の金貨を投げ入れました。

すると、暖炉に干してあった靴下に入り、そのお金で娘は救われ、結婚することが出来たそうです。

ニコラスは、ほかの2人の娘の時も行い家族を救ったと言われています。

クリスマスに靴下を下げておくと、煙突から入りプレゼントを入れてくれるという習慣は、ここから生まれたそうです。この伝説が時間をかけヨーロッパ各国へ様々なイメージと文化と共に語られ、毛皮の衣装を身に纏いトナカイの引くソリに乗ってくるという皆さんがイメージする姿は北欧の北方の風土と混ざり、

後にアメリカに渡り1822年詩人のクレメント・C・ムーアの作品の中で『サンタクロースは大きな顔で丸い小さなお腹、元気いっぱいで陽気な小さな妖精の太っちょおじさん』だと表現され、その後約100年に渡り、思い思いにサンタクロースを描きました。そして1930年代に入りコカ・コーラがクリスマスキャンペーンに起用し今の誰もがイメージするサンタクロースへとなったそうです。

そして、クリスマスでのサンタと対をなす象徴『クリスマスツリー』実は、キリスト教由来ではないそうです。

諸説ありますが、北ヨーロッパゲルマン民族の冬至祭『ユール』からの由来ではないかと言われています。

ゲルマン民族のユールの際、樫の木を『永遠の象徴』として祭祀に用い崇める対象としました。

8世紀のドイツにおいて、キリスト教布教の際に宣教師はユールに出会います。

正しいキリスト教へと導きたい宣教師は樫の木を切り倒すと、すぐそばからモミの木が生え、それを見た宣教師は『奇跡の木』とし感動します。と言うのも、モミの木は横から見ると三角錐をしており、頂点に『神』両端に『神の子イエス』と『精霊』が繋がっている『三位一体』を体現すると捉えたのです。

これが、クリスマスツリーへとつながりました。

ただ、これは諸説ある中での一説『オーディンの樫の木』として伝わる神話で、神話や伝説、土着の風習とキリスト教が混ざり融合していった事ではないかと言われています。

現在のように装飾を施すようになったのは、ルネサンス期15世紀のドイツからとの説が一般的です。

はじめは、救貧院に飾られたモミの木、その後町のフルーツやナッツ、焼き菓子を飾りはじめ、マルティン・ルターが木の隙間から見える星々の美しさに感銘を受け、ロウソクを飾りはじめた事が、イルミネーションの起源ともいわれています。

世界共通でクリスマスツリーは『永遠の象徴』としての認識が一般的で、これは旧約聖書創世記に登場する『知恵の木』そう、アダムとイブが口にした禁断の果実で有名なリンゴの木が象徴との説もあるようです。

そして、飾られるオーナメントにも様々な意味がある事をご存じですか?

『クリスマスカラー』

赤 ・・・ 十字架にかけられてイエスの血/神の愛

緑 ・・・ 樹木に代表される永遠の生命・生命力

白 ・・・ 雪・純潔

『星』・・ツリーの一番上に飾る星はトップスターと呼ばれ「希望の星(ベツレヘムの星)」

『オーナメントボール』・・禁断の果実

『天使』・・聖母マリアがイエスを身ごもった際、受胎告知したガブリエル

『ベル』・・イエスの誕生を告げたベル

『ジンジャーブレットマン』・・16世紀、当時流行したペストの予防にショウガが効果的であった事から、イギリス国王ヘンリー8世を模して焼いたクッキー 無病息災や魔よけの意味

『松ぼっくり』・・豊作への想いや繁栄

サンタクロースの足跡をたどり、ツリーのオーナメントに込められた想いを眺めてみると、古の頃からの人々の想いに触れられるような気がします。

ツリーの灯りに心奪われ静かに心踊るとき、いくつになってもこういう時間は特別

どうぞ、皆さんの聖夜に、鈴の音と素敵な魔法が降り注ぎ、星空が温かく輝きますように。

メリークリスマス!!                      

かずやコスメディア 東 政哉

FacebookXLine