「生活保護世帯の葬儀」
昨今の円安による輸入価格の上昇や、人件費や物流費の増加、世界的なインフレにより、現在の日本は物価高となっています。
その影響は、皆さまも日々の生活のいたる所で実感されている事でしょう。以前までは楽に買えていた物が、今では少し無理をしないと買えなくなっており、購入の際に品物の質を落とそうと考えた事は一度や二度では無いと思われます。
また万引きによる犯罪は一時期減少傾向にありましたが、2024年の統計では悪化してしまっており、万引きで一番狙われる品物は食料品であるという事実が、日本の困窮事態を表していると思われます。※セルフレジの導入や、遊び半分の万引き、外国人の増加も勿論影響があると思われます。
信じられないかもしれませんが、今のこの日本で少数の餓死者が出ているのです。無論、それらは経済的な問題だけでなく、地域的な問題、家族間の問題等、様々な要因はあると思われますが、それらの最終セーフティネットが生活保護になります。
生活保護制度は、日本国憲法第25条の理念に基づき、生活に困窮する全ての国民に対し、国が最低限度の生活を保障し、その自立を助長する事を目的とする公的扶助制度です。細かな内容は地域によって違う箇所があるかもしれませんが、生活保護には主に8つの扶助があります。
1【生活扶助】食べ物、着るもの、光熱費水費、日々の暮らしに必要な費用。
2【住宅扶助】家賃等の住む為に必要な費用。
3【教育扶助】義務教育を受ける上で必要な費用。
4【医療扶助】治療に必要な費用。
5【介助扶助】介護保険サービスで必要な費用。
6【出産扶助】分べんに必要な費用。
7【生業扶助】生計を維持するための小規模な事業に必要になる費用。
8【葬祭扶助】葬祭の費用。
生活保護の方が亡くなられ、葬祭費を市が負担する場合はこの8つ目の項目が適応されます。
当然、制度を利用される場合は遺族が負担する必要は一切なく、金銭は全て葬儀会社と市役所とでのやり取りで支払いが終える形になります。
しかしここで言う葬祭扶助は、宗教者を呼んで【葬儀】をする訳ではなく、ただただ火葬しかせず、形式としては直葬になります。
火葬のみを目的としたお別れになるので、遺影写真の作成や会食料理の注文、また中に入れるお花の注文等もして頂くのは難しいのです。これは生活保護法の第18条第1項で定められている【納骨その他葬祭に必要なもの】の範囲内の、本当に最低限の内容でしか施行出来ないからです。
遺影写真や料理、またお経や花は【必ずしも】必要な物ではなく、人によっては質素、これでは故人が可哀そうと思われる方がいるかもしれません。しかし税金でお別れするとはこういう事となるという認識を持つ必要があります。
また生活保護を受けている=必ず葬祭扶助を受けられるとは限りません。
ご家族の状況やご家族の経済状況によっては、扶助を受けられない可能性はあります。その為、もし近しい人が生活保護を受けており、尚且つその人が危ない状態で、お別れには葬祭扶助の制度を利用したいと考えているならば、一度生活保護の担当者さんに葬祭扶助を受けることは出来ますか?と聞いておくと、もしもの際に慌てなくて済みます。というのも人はいつ亡くなるか分かりません。もし万が一不幸が起きた時、生活保護の葬祭扶助を受けたいと考えても、市役所が長期休みに入っていれば、担当者に制度を利用出来るかどうかを問う事が出来ないからです。これは土日祝日でも同様です。
もし担当者と連絡が取れず、扶助を受けられるか不明な場合は、皆さまは選択を迫られる事になります。
葬祭費が出る前提で話を進めるか、出ない前提で話を進めるか。
どちらにしても不明瞭な部分を残してのお別れになるので、やはり事前に確認しておいた方が良いでしょう。
ただやはり宗教者を呼ぶ葬儀等を希望するのであれば、初めから生活保護での葬祭扶助は使わず、皆さまの負担でのお別れが最善でしょう。
ですが皆さまにも様々な状況や予算の問題があり、なかなか思う様に進める事は難しいと思われます。しかし事前にご相談に来て頂ければ色々な手が打てます。勿論、全ての希望を叶える事は出来ないかもしれませんが、亡くなった後では時間的な問題等で打てない手も、時間があれば打てる手も増えるのも事実です。
7割8割の方が葬儀の前に事前相談をされており、様々なご相談を受けております。こういう言い方はどうかと思われますが、事前相談は無料です。もし葬儀に関する事であればいつでも私達かずやへご連絡下さい。
かずやコスメディア 高木