「偲ぶ心をはぐくむ」

先日、20~70代の実に6割が「自身の葬儀をしてほしくない」と考えている、というネット記事が掲載されていました。ご家族の負担を考えての方もいらっしゃれば、葬儀自体に価値を見出せない方もいらっしゃるのだと思います。いずれにしても、少々寂しく感じてしまいますね。近年は葬儀の簡素化が進み、おそらくその流れは当面続くのだと思いますが、大切な方を見送る「葬儀という儀式の意義」を今一度考え直す時期がきているのではないかと思う次第です。

とはいえ、ここまで進んでしまった流れを急に変えることはできませんし、はたして変える必要があるのか、というのも議論の余地があるところだと思います。ですが、葬儀の形がいくら変わっていっても、大切な方を心を込めて見送ってあげられるような気持ちは持っておきたいところだと、皆様考えておられるのではないでしょうか。

今回、一部を除いたかずやコスメディアの各斎場の控室に絵本や折り紙、シンパシーカードなどをご用意いたしました。

かずやコスメディア勝立斎場楓ホール 控室

こちらは葬儀に参列するご遺族の皆様に、葬儀の場に「ただそこにいる」のではなく、「ご自身たちも葬儀に参加している」と感じていただければと思い発案したものになります。通夜・葬儀がはじまるまでの間、ただ漫然と過ごすのではなく、出棺の際に手向ける折り紙を折ったり、故人様へのメッセージを書く時間に使ったりしてもらうことで、葬儀に対しての意義をそれぞれに感じていただければと考えたところです。また、お孫様やひ孫様への絵本の読み聞かせなどを通して、大切な方が亡くなったときに偲ぶ心をはぐくむ機会になればとも思います。

これから先も、葬儀の規模は縮小し続け、無宗教葬なども増え続けていくのかもしれません。ですが今後、幼い子供たちが成長し、いつか大切な方を失ったときに、いつか自分がしたようにご自身の子や孫と折り紙を折りながら、それまでの時間を思い返し、故人様への感謝の気持ちを形にしてもらう。そんな光景がうまれるならば、この試みは多少なりとも意味があるものだったといえるのかもしれません。

かずやコスメディア 北原

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